前十字靱帯（ACL）再建術は今日世界的に行われ極めて安全な手術となっています。ACL完全断裂はギプス固定では治癒しないこと、放置した場合５年以上で２次的半月板損傷、それ以上の年数で変形性関節症を来すことから、55歳以下では前十字靭帯再建術が推奨されます。手術は炎症が治まる断裂して１ヵ月以後に行います。手術方法は内視鏡手術で行い、切開部は内視鏡を操作する1.5〜2cmが２カ所、靱帯採取＆固定部の４〜５cmの1ヵ所の計3カ所。

ACL再建術手技
弛緩したACL	フックでACLの緩みが明らか	脛骨位置決め	大腿骨トン ネル作成
大腿骨内に 腱誘導	エンドボタン 確認	腱の骨内 引き込み	完成

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野村医師の開発した最新のハイブリッドACL再建術は自家腱と人工靭帯を使用します。さらに靭帯固定力が従来の数倍の強力な新固定方法により、術後２日目に松葉杖なしで歩いて退院できます。


PRP療法：標準的ACL再建術のスポーツ復帰は術後9〜12か月にもなります（米国HSS病院）。当院ではACL手術後に再建靭帯の修復を加速するPRP療法も提案しています。術後炎症が沈静化する3〜4週以後にPRP注射を行います。ハイブリッドACL再建術にPRP注射を加えスポーツ復帰を早めることが可能となります（2023最新論文）。

新鮮ACL断裂：一次修復術は新しい縫合材料の開発により以前より行われてきていますが、失敗率は再建術の5〜10倍高く青年期の失敗率は50％にもなること、術後のリハビリ期間は再建術より極めて長期を要することから現在修復術は推奨していません。

術後リハビリスケジュール