膝蓋骨脱臼

MFPL研究の軌跡



野村医師は1990年にMPFLの詳細な解剖所見を報告したのち、解剖、機能、損傷病態、再建術、組織学、軟骨障害を体系的に研究しMPFL研究を国際的に牽引したMPFL研究のパイオニアであり、『Father of modern MPFL reconstruction』と評価されております。


内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)の詳細な解剖所見を1990年に世界で初めて報告(第11回東京膝関節研究会)、次いで機能解剖所見・損傷病態・再建術など1993年までに以下13編の発表/論文報告しました。

  • Medial patellofemoral ligamentの解剖学的研究:第11回東京膝、1990
  • 内側膝蓋大腿靱帯のlength patternとその機能について:第76回中部整災学会、1991
  • 内側膝蓋大腿靱帯の機能について;膝蓋骨外側制動と再建術への応用第6回日整会基礎、1991
  • 新鮮膝蓋骨脱臼に伴う内側膝蓋大腿靱帯の手術所見:第17回日本膝、1992
  • 反復性膝蓋骨脱臼に対する人工靱帯を用いたMPFL再建術の成績第78回中部整災、1992
  • 新鮮膝蓋骨脱臼に対する内側膝蓋大腿靱帯1次修復術第14回東京膝、1993
  • 内側膝蓋大腿靱帯の機能解剖について第79回中部整災学会、1993
  • 内側膝蓋大腿靱帯のlength patternとその機能について中部整災誌34:1891-92,1991
  • Medial patellofemoral ligamentの解剖学的研究:別冊整形外科22:2-5,1992
  • 新鮮膝蓋骨脱臼に伴う内側膝蓋大腿靱帯の手術所見:膝17:102-106,1992
  • 反復性膝蓋骨脱臼に対する人工靱帯を用いたMPFL再建術の成績:中部整災35:1581-82,1993
  • 論説:内側膝蓋大腿靱帯の機能解剖について:臨床整形外科28:5-10、1993
  • 論説:反復性膝蓋骨脱臼に対する人工靱帯を用いたMPFL再建術:整形外科45:1597-1604:1994
1990年当時ランツ下肢臨床解剖学書に簡単な記載しかなかった本靭帯について世界で最も早くに詳細な解剖所見・機能解剖所見を発表し論文報告しております。


 @MPFLの解剖学的研究:第11回東京膝関節研究会;1990
 AMPFLの解剖学的研究:別冊整形外科22:2〜5;1992
 BMPFLの機能について:第6回日整会基礎;1991
 CMPFLの機能解剖:臨床整形外科28:5~10(論説);1993


1992年には世界初となる単独のMPFL再建術を第78回中部整災にて学会発表後、1993年1994年に論文発表しました。臨床整形外科は論説に採用されております。


 @反復性膝蓋骨脱臼に対するMPFL再建術の成績
  第78回中部整災学会;1992
 A反復性膝蓋骨脱臼に対する人工靭帯を用いたMPFL再建術
  の成績:中部整災誌35:1581~82、1993
 B反復性膝蓋骨脱臼に対する人工靭帯を用いたMPFL再建術
  臨床整形外科28:5~10(論説)、1994


1990年代は膝蓋骨脱臼の多くの権威から『そんな靭帯はない!そんな手術はすべきでない!』と学会場で多くの批判を浴びました。1998年まで30編もの発表を日本で一貫して継続してきましたが、国内ではほとんど研究なしの状況で世界的にも1998年までに数編の報告があるのみで日本でも世界でもMPFLの重要性は認識されませんでした。そこで海外の発表に重点を移し、1998年9月第62回西アメリカ整形外科学会 (Aspen) を皮切りに、1998年10月第29回東アメリカ整形外科学会 (Puerto Rico)、1999年4月第21回SICOT国際整形災害外科学会 (Sydney) で『MPFL再建術』の発表の他に、『MPFL残存靭帯所見』でSICOT学会賞を受賞しました。1999年4月第4回西欧州整災学会 (Brussels)、2000年4月第18回中央アメリカ整形外科学会 (Scottsdale)、2000年9月第9回ESSKA (London)、2001年2月第68回AAOS (SanFrancisco)、2002年4月第7回IPFSG研究会 (Roma)と精力的に世界に発信しました。2002年8月第22回SICOT国際整形災害外科学会 (San diego) で『内側膝蓋大腿靱帯の損傷形態』で招待講演を行いました。2000年からは英文論文の投稿を開始しました。以下の5つの論文にてMPFL再建術について報告しました。


 @MPFL再建術の中期成績(Knee7:211-15;2000)
 AMPFL再建術の手術テクニック(Arthroscopy19:E47;2003)
 BMPFL補強修復術(KSSTA13:346-51:2005)
 CHybrid-MPFL再建術(Arthrscopy22:787-93;2006)
 DMPFL再建術の長期成績(Am J Sports Med35:1851-9;2007)


@〜Dの英文論文にてMPFL再建術の合理性・安全性と有用性を世界に証明しました。日本でもMPFLの重要性の認識が徐々に高まり、2003年膝フォーラムで『MPFL再建術の手術手技と理論と詳細について』を招待講演しました。2005年2月第5回日本膝関節学会では『反復性膝蓋骨脱臼に対するMPFL再建術』が主題で講演、5月膝フォーラムで『MPFLの機能解剖』で招待講演を行いました。11月リウマチ関節外科学会で『MPFLの病態と治療』がシンポジウムとなり『内側支持機構の病態と治療』について講演しました。2005年は日本でも世界でも膝蓋骨脱臼の手術法の転換点になったと思われます。世界的雑誌AMJSMのSystematic Review(AJSM 2010)では野村医師は2010年までに12個のうち3個が野村医師の論文であると報告されました。実際は10個以上ですが。2004年慶応大学整形外科前田賞を頂きました。2009年第7回SICOT国際学会招待講演(大阪)、2010年7月全米スポーツ整形外科学会招待講演(ロードアイランド)、2010年11月第16回アジアパシフィック整形外科学会招待講演(台湾)、2011年5月日本整形外科学会総会招待講演(横浜)、2011年5月第8回SICOT国際学会招待講演(ブラジル)、2013年5月日本整形外科学会招待講演(広島)、2014年5月日本整形外科学会招待講演(神戸)を行い、2010年代になりMPFLは膝蓋骨脱臼における最も重要な靭帯であると結論されるに至りました。研究開始から25年間に総計で150編以上もの学会発表論文発表を行い、日本の膝蓋骨脱臼に関する教科書の殆どを執筆し、国内の膝蓋骨脱臼シンポジウムでほぼ全てにシンポジストとして講演しました。今日、野村医師は膝蓋骨脱臼研究における世界的先駆者であり世界的膝外科医となっています



★野村栄貴医師の研究発表と論文業績
★膝蓋骨脱臼手術法の歴史とMPFL再建術

★国際膝蓋大腿関節研究会(IPFSG)



2011
ISAKOS
左から3人目
野村医師
2002 IPFSG
at Roma
KP Hospital
Dr Fithain 2002
2003 IPFSG
at Naples
2005 IPFSG
at Lake of Leman

横浜整形外科クリニック